最近、メディアが行った調査によると、18-35歳の1千人余りの回答者のうち、9割近くが「今から自分の老後について考え始めなければならない」と答えたという。これより前には、ある地域で若者のグループが家を買って「同居型の老後」を模索するケースや、グループホームのニュースなどが話題になった。「光明日報」が伝えた。
中国はこれから「中レベルの高齢化社会」に入る。若者は親の世代の老後の世話に対するプレッシャーだけでなく、自分の老後の見通しに対する不安にも直面することになる。高齢者を扶養し孝行するという家庭の責任を引き受けるとともに、自分の老後に備えて早めに準備し計画も立たなければならない。若者は老後の不安にどのように向き合えばいいだろうか。
老後の不安に向き合う上で最も重要な前提は、長期的なライフプランをしっかりと立て、個人の人的資本への投資を積極的に行い、自分の仕事上の競争力を増強することだ。人的資本への投資とは学校教育の中で卒業証書を取得することだけに限定されず、自身の健康や技能、経験への投資、その他の精神面での投資も含まれる。発展が加速する時代の中にあって、時代に合わせて知識を更新し続け、職業をめぐる質を絶えず向上させることは、職業上の安全感を獲得し、収入源を安定させる唯一の有効な方法だ。
若者は長期的な視点に立って老後の計画を着実に立て、健康的な消費と貯蓄の習慣を育成する必要がある。老後を保障する3本目の柱と言えば、通常は個人貯蓄型年金保険と商業年金保険を指し、一部の先進国ではこの部分は高齢者の収入の3分の1以上を占める。中国の年金金融消費の発展ペースが遅く、全体としてみると良質な商品が不足する、カバー範囲が狭い、人々の老後のための貯蓄への意識が低いといった問題があり、中国の年金保障が公的な基本的年金保険に過度に依存する事態を招いている。ここ数年、各級政府が年金金融システムと年金保険構築への政策の支援の度合いを絶えず拡大して、「多層的な年金保険」システムの構築を加速させている。若者は早めに年金資金の計画を立て、ライフサイクル全体を見渡して収入、消費、貯蓄のバランスを取り、高齢になっても一定の生活水準を維持できるよう確保すべきだ。
物質的に十分な準備をするだけでなく、老後の計画では心理面や感情面での準備も大切だ。研究によると、配偶者や子どもからの感情面でのサポート、孫の世話や社会的活動への参加などが、高齢者層の抑うつ傾向を目に見えて改善することがわかった。家庭と家族間の感情が高齢者の感情面でのよりどころだ。
老後に対する社会の意識の変化はこれから老後問題を解決する上でプラスの役割を果たすだろう。リスクの予防は常にリスクの解消よりもずっと容易だ。しかし悲観しすぎる必要はない。ある程度言えることは、まもなく訪れる高齢化社会は怖くないということだ。科学技術によるイノベーションはこれまでずっと人類社会を進歩させる土台石だった。スマート技術を利用した老後、科学技術を活用した老後が、これから大いに発展することが予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月10日