コメ価格 “再び値上がり” 転じる 5キロ4268円 依然品薄感も——贯通日本资讯频道
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コメ価格 “再び値上がり” 転じる 5キロ4268円 依然品薄感も

全国のスーパーで今月11日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5キロあたり消費税込みで4268円で、前の週から54円値上がりしました。前の週は18週ぶりに値下がりしましたが、ふたたび上昇した形です。

農林水産省は、全国のスーパーおよそ1000店でのコメの販売価格をまとめ、毎週公表しています。

それによりますと、今月5日から11日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5キロあたり消費税込みで4268円で、前の週から54円の値上がりとなりました。

前の週は18週ぶりの値下がりとなりましたが、今回、ふたたび値上がりし、去年の同じ時期に比べて2倍程度の高値が続いています。

内訳を見てみると、いずれも5キロあたり消費税込みで、
▽産地と品種が単一の「銘柄米」は4434円と前の週より36円、
▽さまざまな産地や品種を混ぜた「ブレンド米等」は3895円と前の週より54円、
いずれも値上がりしました。

一方、今月11日までの1週間の店頭でのコメの販売量は、前の年の同じ時期より8%あまり増え、販売量のうち「銘柄米」は69%、「ブレンド米等」は31%をそれぞれ占めました。

農林水産省は「ブレンド米には備蓄米が入っているケースが多いが、今回は、銘柄米に加えて、備蓄米が入っていないブレンド米などが値上がりしたことが、全体の価格を押し上げたのではないか」と話しています

【茨城】大学の学食にようやく備蓄米ごはん

こうしたなか、水戸市などにキャンパスがある茨城大学の食堂では、ことし3月に放出された備蓄米を先週からようやく調達できるようになり、茨城大学の生活協同組合では、学食で提供するごはんはすべて備蓄米を使っています。

水戸市のキャンパスの食堂では、きょうも昼どきに大勢の学生らが備蓄米を使ったごはんを食べていました。

学生からは「味の違いは感じません。おいしいです」とか「備蓄米に変わったと分かりませんでした」といった声が上がっていました。

大学の生協などによりますと、使用している備蓄米はことし3月に放出されたものですが、集荷や精米に時間がかかるなどしたため、この時期にようやく提供できるようになったということです。

生協では、ことしに入って2回、ごはんの価格を引き上げていて、標準サイズは1杯100円から140円になりました。

備蓄米を調達できるようになったもののコメの価格動向が不透明なことから、価格は据え置かざるを得ないとしています。茨城大学生活協同組合の小山浩明店長は「備蓄米が入っても仕入れ値が大きく下がったとは聞いておらず、少しでも安くなるような流通になってもらえるとうれしいです」と話していました。

【都内・埼玉】備蓄米入手できず依然品薄のスーパーも

備蓄米の流通は少しずつ進んでいますが、依然として、備蓄米を入手できずコメの品薄が続いているスーパーもあります。

都内と埼玉県にあわせて7店舗を展開するスーパーでは、主に3つの卸売会社などからコメを仕入れていますが、今のところ備蓄米を入手できていません。備蓄米以外の通常のコメも品薄の状態が続いていて、ことし1月から4月までの毎月のコメの入荷数は、前の年の同じ時期の2割から半分程度減っているということです。

会社ではコメの不足感を受けて新たな仕入れ先の開拓にも努めていますが、月2回の納品までにコメが完売してしまうこともあるということです。

買い物に訪れていた40代の男性は「備蓄米はまだ見かけたことがない。ふだん買っているスーパーでもう少し安めのお米が手に入ったらありがたい」と話していました。

スーパーを運営する会社の松井順子代表は「現時点でコメの取り引き先から備蓄米についての話が全くなくまだまだ時間がかかるかなと感じています。より多くの中小の小売店に備蓄米が流通すれば、お客さんが購入するチャンスが増えるので、広がりを期待したい」と話していました。

【山形】新米の獲得競争 早くも激化

 

全国有数のコメどころ山形県庄内地方の集荷業者には、田植えが始まったばかりのことし(令和7年)産のコメを確保しようと注文が殺到しています。

山形県鶴岡市の齋藤弘之さんは、集荷業者として地元の農家からコメを集めて首都圏などに販売しています。

新米の注文は、例年夏から秋にかけて多くなる傾向にありますが、齋藤さんによりますと、ことしはすでに2月ごろから問い合わせが入り始め、中には一度に300トン程度を求めてくる業者もいるということです。これまで取り引きのなかった新規の会社も含め、全国のコメ販売店や商社、卸売業者から注文が殺到していて、その数は、例年の2倍ほどにのぼっているということです。

ただ齋藤さんはことしのコメのできばえがわからないことに加え、集荷業者を経由せず消費者に直接販売する農家も増えていることから、必要な量を確保できる見通しがたっていないとして、ほとんどの注文を断っているということです。

齋藤さんは「早めに数を確保したいという思いから、どの会社も地方を回って集めている。余裕があれば、新規の客にも売りたいが、今までつきあいのある客を優先せざるを得ない」と話していました。

【福岡】主食用のコメ 大幅増産決めた農家も

 

消費者からの引き合いが強まっているとして、主食用のコメの大幅な増産を決めた農家もあります。

福岡県糸島市の谷口汰一さん(29)はコメ農家の2代目です。

去年は管理している23ヘクタールの農地のうち、3分の2にあたる15ヘクタールの水田で主食用のコメを、残る8ヘクタールの田畑で家畜のエサになる飼料用のコメや大豆などを生産しました。

主食用のコメはJAを通さず、消費者や飲食店などに直接販売していますが、農園のホームページにはひと月あたりで前の年の同じ月のおよそ20倍に上る注文が寄せられ、去年産のコメはことし1月までに完売したと言います。

谷口さんはことし、23ヘクタールすべてで主食用のコメを作る決断をし、生産量は去年の1.5倍にあたる90トンを見込んでいます。生産コストが上昇する中、消費者に喜んで買ってもらいたいと、販売価格は今のところ去年と同じ5キロで税込み2500円。ことしは田植え前に注文が相次ぎ、すべての売り先が決まったということです。

谷口さんは「取引先が増えて生産量が足りないので、とにかくことしは作れるだけ作っていこうと思います」と話していました。

その上で、コメの小売価格については「さすがに1年で倍以上の値上がりは高すぎると思います。消費者の方々がコメの買い控えをするのが一番怖いです」と話していました。

専門家「この先スピードアップで備蓄米出ること期待できる」

 

三菱総合研究所の稲垣公雄研究理事は、農林水産省が先週発表したコメの流通円滑化に向けた改善策について「とにかく備蓄米を早く出せというのが今回の農水省の方針かと思うので、ここから先はスピードアップして備蓄米が出てくることが期待できる。流通過程において、スムーズに備蓄米が出てくるようになれば、さすがに価格は落ち着いてくると考えていいのではないか」と話しています。

その上で、今後の価格の見通しについては、高止まりする場合と、下落に転じる場合の2つのシナリオがあるとしています。

まず、価格が高止まりする場合については「備蓄米はどんどん売れるけど、在庫として持っている高く仕入れたコメもそれなりにまだ売れるよねという状態であれば、価格はそこまで下がらない。何か月経っても在庫として持っているコメがまだ十分売れるという見通しならば値段は下がらないと思う」と話しています。

一方で、下落に転じる場合については「今後、備蓄米がすごくたくさん出る状態になったとすると、通常の銘柄米が売れなくなった時に、事業者が下げてでも売ろうと判断すれば、全体がもっと下がってくる状態になる。また8月9月ぐらいにことしの作況が出てきて、十分にコメがとれているみたいだぞとなったら、すこし高めで買ってしまったコメを安く売らないといけないという動きが出てくる可能性がある」と指摘しています。

さらに、新米が流通するようになれば今の高値が落ち着くのか聞いたところ「ことしの新米について100以上の作況指数がきちんと出ることが最も重要だ。ただ、JAが農家に前払いする概算金が高くなっているので、秋から出てくる新米の価格も最初は高い値付けにならざるを得ないところがあると思う。コメが足りないというひっ迫感があって、皆さんが買い回ると、価格がどんどん上がる状況なので、コメが十分あるという認識が広まるまで、沈静化するのはなかなか難しいと考えざるをえない」と指摘しています。

その上で、消費者に対しては「なんとなくコメが足りないかもしれないし、少し安めに見えるときは買っておこうと、買い足されているかもしれないが、少なくとも備蓄米で一定程度の安定効果が出てくると考えると、慌てて買うことはしなくてもよいのではないか」と話しています。

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