学校のIT環境の整備、これからの情報教育のあり方を検討する文部科学省の「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」の第9回が6日、東京都千代田区で開かれ、「情報教育の内容の充実」について論議した。
検討会では、情報教育の3つの柱、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」を児童生徒に身につけさせるためのガイドラインの策定に取り組んでいる。小中高校の各段階ごとに、現行の学習指導要領から「情報教育」の内容を抽出し、分かりやすく体系化するための論議を続けている。
この日は、学校段階ごとに表にまとめた「情報教育の目標で分類した学習活動一覧」と、これまでの検討会で出された学習活動に関する意見をまとめた報告書案が示され、議論を行った。
報告書の内容について、委員からは「文部科学省は2002年に『新・情報教育に関する手引き』をまとめているが、3年間で社会は急激に変わっており、今回の報告書は前回と同じではなく、変化に対応したことを明示した方がインパクトがある」「情報教育の3つの柱をバランスよく学ぶ必要があると書き添えた方がいい」「保護者の協力を促す表現を入れたい」--といった意見が出された。
また、報告書と同時に、その内容を教員や保護者に知ってもらうため、より分かりやすく、具体的な内容を載せたパンフレット、ウェブサイトをつくる方針を出しており、その点について「ウェブ検索が苦手な教員もいるのでパンフレットは重要だ。ITで学力がつくことを強調すれば、教員にとって魅力的に見える」「報告書を使った教員研修を行うことも必要だ」「自由にダウンロードして使えるような著作権上の処理をしてほしい」--など、活発な意見交換が行われた。【岡礼子】