【キエフ(ウクライナ)小坂大】サッカーの日本代表は12日に当地で行われたウクライナ代表との親善試合に0-1で敗れ、2-2で引き分けたラトビア戦(8日、リガ)を含めた欧州遠征を1敗1分けで終え、13日帰国した。日本は後半8分に中田浩が危険なタックルで退場し、後半終了間際にPKで失点した。来年のワールドカップ(W杯)に向け、取り組むべき多くの課題を得た遠征だったが、ジーコ監督が掲げる「攻め勝つサッカー」を実現するには、守備陣にも新たな取り組みが求められそうだ。
◇中盤下がりリズム作れず
中村は「日本はプレッシャーを受けると中盤が下がる。攻撃陣の負担は大きくなり、ボールを奪った後もパスの出しどころがない」と指摘した。ラトビア戦では、日本の攻撃陣が攻め重視だっため、孤立した守備陣のパスミスから失点した。
それを教訓にウクライナ戦では中田英、中村の攻撃陣も支援に回った。しかし、ボールを奪ったのは自陣深く、攻めに転じても相手ゴールは遠いうえに攻撃陣が残ってなく、攻めの組み立てもままならなかった。
日本は人材が豊富な中盤で守り、攻めのリズムを作るのが生命線。中村は「すべての駆け引きが中盤にある」と言う。だが、相手との力関係によっては、パスを回されて自陣に迫られることも多い。ウクライナは最終ラインでボールを奪い、なおかつ守備的MFとの間でボールを回す間に攻撃陣が飛び出してリズムを作っていた。
日本もW杯に向け、守備陣が一段とレベルを上げ、中盤が深く下がって支援しなくてもボールを奪い、パスを回して攻めを組み立てられるようにしておきたい。
攻めに専念したい攻撃陣からの高度な注文でもあるが、DF陣は国内組が多い。「後ろのパス回しの練習があってもいい」と中村は言う。国内組だけの招集は可能であり、Jリーグや日々の練習の意識しだいでも向上できるように、国内でも取り組めることはある。【小坂大】