インターネット上でブームの兆しを見せているホームページ(HP)作成ソフト「wiki(ウィキ)」を利用し、和歌山大の学生らがネットビジネス会社「アットフリークス」を設立した。利用者にはソフトを無償貸与し、広告で収入を賄う方式。学生によるベンチャー起業は和歌山大で5社目で、社長の大野真和さん(23)=システム工学部4年生=は「どんどん新しいサービスをスタートさせたい」と話している。【辻加奈子】
wikiは、アクセスすれば誰でも書き換えられるようなHPを作るソフト。多人数で一つのHPを作っていけるのが特徴で、オンライン辞典のウィキペディアのように、多数の人が次々に情報を書き込んで知識を集約するようなHPで使われる。通常のHPより作成や更新が簡単で、専用ソフトや専門知識も要らない。
大野さんは大学入学時から起業に興味があり、コンピューターに詳しかったことから、知人や先輩に相談しながらビジネスモデルを構築。04年度の、わかやま産業振興財団「イノベーションプランコンテストinきのくに」ビジネスプラン部門で最優秀賞を受賞し、賞金と大学OBらの出資で資本金を確保。9月21日に友人3人と有限会社を設立した。
利用者はHP「@WIKI(アットウィキ)」にアクセスしてパスワードなどを登録。自らHPを作るほか、オンラインゲームの攻略法を集めたHPや、人気アイドルのファンのHP、ボランティア活動の情報を集めたHPなどの制作に参加できる。自分のHPは書き換えられないようロックすることもできる。ページの下方には企業の広告が入る。
@WIKIは2月から仮運用をスタートしており、収支は「経費は賄える」という程度だが、利用者は徐々に増加。7月には大手IT業者、ライブドアもwikiを利用したサービスに参入した。
大野さんは「ユーザーをたくさん抱えているので、1時間でもサービスを止められない。大企業との競合は大変だが、他企業との連携など次々とチャレンジしていきたい」と話している。
アットウィキ
http://atwiki.jp/