ポスティング・システム(入札制度)で大リーグに挑戦する日本ハム・入来祐作投手(33)が「1ドル入札」でも移籍可能な状況であることが16日、分かった。03年オフに巨人から移籍した際、入札額が低いなどの理由で交渉を打ち切ることができない旨を契約のサイドレターに盛り込んでいた。球団幹部は「オーバーに言えば1ドルであっても拒否できないということ」と話し、推移を見守るしかないのが実情だ。
球団は17日にコミッショナー事務局へ申請の手続きをとる。2年契約が切れる今オフのポスティングについても、当初から勝ち星などに条件を設けていなかった。15日に本人の意向を聞いた幹部は「彼が望めば可能になる契約なので、契約通りに進める」とやむなしの表情だった。
今回メジャーから入札なしに終わっても、球団は来年2月のキャンプインまで入来が望む限り、何度でもポスティング申請が可能という。まさに全面バックアップを受けての挑戦。札幌を離れ、都内のジムで調整を続けている入来は「年齢的に最後のチャンス。自分の人生に1つ区切りをつけたかったし、わがままを理解してくれた球団に感謝したい」と話した。
ただ球団同士の交渉のハードルは低くとも、入来自身は「チームや北海道に愛着があるし、メジャー契約でなければ行く意味がない」と話す。まだ入り口に着いたにすぎないことは、本人が誰より強く感じている。