静岡市の健康用品販売店で昨年1月、女性従業員2人が殺害された事件で、強盗殺人など六つの罪に問われた同市駿河区大谷の元静岡大生、高橋義政被告(26)の判決公判が12日、静岡地裁であった。竹花俊徳裁判長は無期懲役(求刑・死刑)の判決を言い渡した。
判決では、高橋被告は慕っていた女性が03年1月27日に同市葵区新伝馬のクリニックで病死したことを恨み、同クリニック院長らの殺害を計画。命日から1日後の昨年1月28日午後5時過ぎ、クリニックと同じ建物にあり院長の妻が経営する健康用品販売店で、同店従業員の井本嘉久子さん(当時60歳)=同市駿河区西島=と竹内真知子さん(同57歳)=同市清水区村松原=を刃物で殺害し、現金約6万6000円を奪った。
同事件では、高橋被告は公判までの取調べに対し犯行を否認。静岡地検は現場近くの畑にあった自転車のタイヤ痕や小型ナイフなどの状況証拠のみで「被告以外に犯人は考えられない」として起訴した。
一方、高橋被告は初公判で一転して殺害の事実を認め、今年1月の公判では法廷で突然土下座して遺族に謝罪した。弁護側からは、高橋被告が幼いころから激しい体罰を受けてきた成育環境が明らかにされた。【稲生陽】
毎日新聞 2006年6月12日 13時44分 (最終更新時間 6月12日 15時11分)