自民党内閣部会(木村勉部会長)が皇室典範改正問題についてまとめた中間報告の概要が12日、分かった。男系維持と女性・女系天皇容認の両論を併記したものの、「男系維持が望ましい」との文言を盛り込み、男系維持派に配慮した内容となっている。改正の是非については、いずれにしても安定的な皇位継承のため「早急に改正する必要がある」と結論付けた。13日の内閣部会で公表する。
両論併記の中で、男系に関しては「あくまでも維持すべきだ」としたうえで、「旧皇族」やその子孫の男系男子の皇籍復帰による解決策を紹介。女系容認は、現行制度では安定した皇位継承が困難だとの考え方を示したが、その前提に「男系維持が望ましい」との文言を盛り込んだ。この文言は今月2日の論点整理素案にはなかった。
皇室典範改正をめぐっては、小泉純一郎首相が女性・女系天皇容認の改正案を今国会に提出する方針だったが、秋篠宮妃紀子さまの懐妊により事態が一変。安倍晋三官房長官ら自民党内の慎重意見が強まり、提出が見送られた。改正問題は次期首相に委ねられた形で、党内男系派の中心議員は「中間報告は次の政権に男系維持の道を残せる内容となった」と指摘している。【野口武則】
毎日新聞 2006年6月13日 3時00分 (最終更新時間 6月13日 7時16分)