政府は13日午前の閣議で、テロ・海賊対策として巡視船3隻(19億2100万円)をインドネシアに政府開発援助(ODA)で供与することを決定した。防弾装備をした巡視船は「武器」に該当すると政府は判断。安倍晋三官房長官は同日、今回の巡視船供与を武器輸出3原則の対象としない官房長官談話を発表した。ODAによる武器の供与は初めて。
談話では、マラッカ海峡での海賊事件の急増などを受け「開発途上国政府が行うテロ・海賊行為の取り締まりに対し、積極的に支援を行うこととした」と説明。(1)テロ・海賊などの取り締まりに限定して使用(2)日本の同意なしに第三国に移転しない--の2点を巡視船供与の条件とし、「武器輸出3原則によらないこととする」とした。今後も途上国のテロ・海賊対策を支援する武器輸出について「個別の案件ごとに検討の上、実施していく」ことも盛り込んだ。
政府は04年12月、ミサイル防衛(MD)の共同開発・生産を武器輸出3原則の例外とする官房長官談話を発表した際、それ以外の武器輸出についても「個別の案件ごとに検討」として事実上、武器輸出3原則を緩和していた。【大貫智子】
毎日新聞 2006年6月13日 14時26分