○ソフトバンク４ー１中日●

　ソフトバンクが継投策で中日打線を１点に抑え、雪辱した。一回カブレラのソロで先制し、三回はズレータの２点適時二塁打、五回にも松中の適時二塁打で加点。先発の神内は２勝目。中日は６投手から毎回の１９三振を喫した。

　▽ソフトバンク・王監督　今日は必死だったよ。中継ぎが気合を入れてやってくれた。（交流戦を２０勝１６敗で終え）厳しい戦力だからよしとしないと。

　▽中日・落合監督　（三振が）１９だろう。記録までいったか？　（相手投手が）一人じゃなくてよかった。審判がストライクと言ったら、どうしようもない。ソフトバンクに三つ勝つのは大変なことだ。

　◇ソフトバンク、万全の継投策で快記録

　ソフトバンクの先発左腕・神内が一回、先頭の森野に投じた４球目は、高め１０９キロのチェンジアップ。バットが空を切った瞬間、奪三振ショーが幕を開けた。

　神内は宮崎・延岡学園高出身のプロ５年目。「飛ばしていこう」と、威力十分の直球と得意のチェンジアップを投げ込んだ。二回は３者連続三振に抑え、六回にアレックスから１１個目を奪ったところで、三瀬にバトンを渡した。

　敵将が「流れが変わったな」とポイントに挙げたのが、五回の福留の打席。３ボールからの球は外角へ。選球眼のいい福留が一塁に歩き出したが、球審はストライクをコール。その後も際どいストライクを２球見逃して三振。珍しく福留がバットをたたきつけた。

　九回は「記録については知らなかった」という馬原が登板。最速１５３キロと球威、キレともに抜群だった。二、六回に続き３度目となる３者連続三振で、毎回の１９三振。中日自身が持つセ・リーグワースト記録に並んだ。

　中継ぎを務めた三瀬、吉武、篠原、藤岡を含む全員が三振をマークした。交流戦最終戦の勝利に執念を見せた王監督は「（記録を）感じないくらい必死だった」と振り返ったが、万全の継投策が快記録を生んだ。【武藤佳正】

　★ゲーム最多三振１９＝セ・リーグタイ記録、ゲーム両チーム最多三振２９＝プロ野球タイ記録　中日は１８日のソフトバンク戦（ナゴヤドーム）で、６投手から毎回の１９三振を奪われ、中日が昨年４月６日のヤクルト戦で作ったセ・リーグ記録に並んだ。ソフトバンクも１０三振を喫し、中日と合わせた計２９三振は、セ・パ各１回ずつあるプロ野球記録に並んだ。交流戦では新記録。

毎日新聞　2006年6月18日　20時20分　（最終更新時間　6月18日　21時03分）