指定暴力団山口組後藤組組長らによるビル虚偽登記事件で、電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪に問われた東証2部上場の不動産会社「菱和ライフクリエイト」元社長、西岡進被告(52)は11日、東京地裁(大島隆明裁判長)の初公判で「虚偽登記にかかわった事実は全くない」と無罪を主張した。同組長、後藤忠正被告(63)=同罪で起訴=との面識も否定した。
検察側は冒頭陳述で「金への執着心が人一倍強い西岡被告はビルを購入、転売することで後藤組から多額の分け前が得られると考え、部下の反対を聞き入れず購入を決めた」などと指摘した。
起訴状などによると、西岡被告は後藤被告らと共謀し東京都渋谷区のビルの所有権を不法に移転登記しようと計画。05年2月、登記簿上の所有者から菱和ライフが購入した同ビルの売買契約を解除し、後藤組のフロント企業「赤富士」に所有権が移転したとする虚偽の登記をした。【佐藤敬一】
毎日新聞 2006年7月12日