埼玉県入間市南峯のJR八高線の踏切で7月30日早朝、「踏切障害物検知装置」が作動しないように手を加えられたうえ、線路に計60個の置き石があったことが分かった。同装置は、踏切内で自動車が停止するなどした際、赤外線で障害物を検知し、電車を緊急停止させる安全装置で、これにより、計9本の電車が踏切前で停止して最大7分の遅れが出たほか、2本が運休した。埼玉県警狭山署は悪質な列車妨害事件とみて調べている。
調べなどでは、同日午前5時12分ごろ、踏切を通過しようとした始発電車が、特殊信号機が赤になったため手前で緊急停止した。運転士が調べたところ、踏切内の右側レールに26個、左側に34個の置き石が見つかり、取り除いた後に出発した。ところが、後続の8本も緊急停止し、原因を調べたところ、検知装置の異常が判明した。
JR東日本によると、この踏切には赤外線の発信・受信装置が6本設置され、うち1本が赤外線を受信できないように向きを変えられていた。同署は装置の向きが簡単には変えられないことから、工具などを使用したとみて調べている。
毎日新聞 2006年8月4日