米国産の長粒種米に未承認の遺伝子組み換え(GM)品種が混入していた問題で、製粉大手の日本製粉が米国から輸入した原料用雑穀の中に長粒種米を砕いたものが約7%含まれていたことが31日分かった。問題の品種ではないことが確認できていないため、同社は厚生労働省と農林水産省に報告するとともに、この原料を使った製品在庫約8トンの出荷を停止した。
日本製粉によると、5月に輸入した3.4トンの原料に長粒種米が混入していた。同社は以前からこの原料を他の粉と混ぜ菓子用などに出荷していることから、出荷先に使用しないよう連絡した。
問題の品種はバイエルクロップサイエンス社が開発した「LLRICE601」で、米農務省が8月18日、混入が見つかったと発表。601は日本で安全性審査を受けていないことから、政府は米国からの長粒種米の輸入を停止した。日本は米国から長粒種の玄米や精米は輸入していないが、米粉など加工品を年間約3万トン輸入しており、これに長粒種が含まれている可能性がある。
政府は現在、輸入済みの米粉などに長粒種が含まれていないか都道府県を通じて調査中。関係業界には、長粒種でないと確認されない米粉などが流通しないよう指導している。厚労省は601の検査方法を米側に照会しているが、検査まで時間がかかれば、出荷停止などの影響が広がる可能性もある。米側は601の安全性は「問題ない」としている。【位川一郎】
毎日新聞 2006年9月1日