【ワシントン及川正也】米中央情報局(CIA)工作員身元漏えい事件で、身元を暴露され損害を受けたとして、元工作員のバレリー・プレイムさんと夫で元駐ガボン大使のジョゼフ・ウィルソン氏は13日、既に起こしている損害賠償請求訴訟の被告に、漏えいを認めたアーミテージ元国務副長官を追加する手続きをワシントンの連邦地裁に行った。
訴状などによると、元副長官は03年6月13日、米紙ワシントン・ポストのウッドワード記者に「元大使の夫人はエージェンシー(CIA)で働いている」との機密情報を漏らした。また、7月8日には保守系コラムニストのノバク氏にも工作員情報を伝えた。
プレイムさんらはすでにチェイニー副大統領らを相手に訴訟を起こしている。アーミテージ氏は漏えいの経過について米メディアを通じて公式に認め、プレイムさんらに謝罪したことを明らかにしているが、プレイムさんらは「機密情報を漏えいした点で責任は同じだ」としている。
毎日新聞 2006年9月14日