柔道のドイツ国際最終日は25日、ハンブルク(ドイツ)で行われ、左肩痛で約8カ月ぶりの実戦となった男子100キロ級の鈴木桂治(平成管財)は3位だった。
鈴木は4回戦でアテネ五輪銅メダルのアリエル・ゼエビ(イスラエル)に一本で敗れた。敗者復活戦は2試合連続で一本勝ちし、3位決定戦は優勢勝ちした。
男子90キロ級の斎藤制剛(旭化成)と女子78キロ級の堀江久美子(兵庫県警)は3位決定戦で敗れ、男子100キロ超級の高井洋平(旭化成)と女子78キロ超級で世界女王の薪谷翠(ミキハウス)は敗者復活戦で敗れた。
男女各7階級を実施した大会で、日本勢の優勝は女子70キロ級の岡明日香(コマツ)だけだった。(共同)
▽岡明日香 去年は決勝で判定負けだったから、今日は絶対に負けない気持ちでいった。(決勝の効果は)無我夢中で覚えていない。(共同)
◇鈴木「足技が出ていない」
最低ラインの表彰台には立ったが、課題も浮き彫りになった鈴木の復帰戦だった。アテネ五輪100キロ超級の金メダリストは「もっといろんな技を出したかったが、まだ自信がないのだと思う。足技が出ていないと試合中に実感した」と反省した。
得意の内またで一本も奪った。しかし本人が「自分が入って掛けていただけ」と振り返ったように、得意技に持ち込む過程が欠落していた。3位決定戦は相手への指導で唯一のポイントを得た辛勝。「内またばかりでは全部読まれてしまう」と苦笑いした。
4回戦はアテネ五輪3位のゼエビに一本背負いで投げられた。消極的になって指導を受け、焦って前へ出たところを狙われた。「百パーセント向こうの作戦通りにいってしまった」と認める完敗だった。
実戦は昨年6月が最後だった。一昨年9月の世界選手権で優勝して以来の国際試合で「久しぶりに脚が震えるくらい緊張した」という。やるべきことを見定めた重量級のエースは「このままでは終われない」と再出発を誓った。(共同)
毎日新聞 2007年2月26日 8時11分 (最終更新時間 2月26日 10時10分)