センバツ(23日開幕、甲子園)に出場する大阪桐蔭・中田翔投手(3年)が13日、大東市内の同校グラウンドで京都外大西と練習試合を行い、4回に2試合連発となる2ランを放った。これで同校の先輩・平田(中日)、マリナーズ・城島に並ぶ高校通算70号。節目の数字をクリアしたことで西武・大島が持つ86号の更新どころか、100号まで現実味を帯びてきた。
これぞ4番だ。2点を追う4回1死一塁、中田は左腕・白井の真ん中直球を左中間席に運んだ。チーム初安打が値千金の同点2ラン。沈黙していた打線に勢いをもたらし、勝利へと導いた。
「とにかく自分が雰囲気をつくりたいと思っていたので…。その後、みんなが打ってくれたのですごくうれしい」
07年第2号は、12日の130メートル弾のような手応えではなかった。だが軸回転の速さでさばく技ありの一撃で、さらなる進化を証明した。「目標にしています」と話していた中日・平田に並ぶ高校通算70号。2年前の夏の甲子園で1試合3発を放つなど輝きを放った先輩にようやく肩を並べた。
さらなる見せ場は8回2死満塁。マウンドには2年前、“スーパー1年生”としてともに甲子園を騒がせた本田が上がった。「最後に出てくると思った。打つ気でいました」。“まさかりポーズ”を全6球中、5回も見せるなど気合十分。結果は遊ゴロに倒れたが、最速140キロの直球に笑みを浮かべるなど「怪物対決」を満喫した。
「意識すると力んでしまうけど、86本まで打てたら本物だと思う」。
夢の3ケタ台到達も見えてきた。中田が進む道を阻むものは誰もいない。
スポーツニッポン 2007年3月14日