【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグのオープン戦は12日、各地で行われ、マリナーズのイチローはアスレチックス戦で左前打2本を放ち、2得点した。城島は無安打。カージナルスの田口はブレーブス戦、ロッキーズの松井稼はダイヤモンドバックス戦でともに1安打だった。デビルレイズの岩村はタイガース戦、ホワイトソックスの井口はパドレス戦で、いずれも安打がなかった。
ヤンキースとレッドソックスは今季初対戦。ヤンキースの松井秀は4番・左翼で、第1打席と第3打席に中前打した後、八回の守備で退き、4打数2安打だった。レッドソックスの松坂は登板予定がなく、松井秀との直接対決はなかった。
◇天敵との初対決、揺れるボールを中前打 松井秀
揺れて、落ちた。松井秀は一塁上で、ベースコーチを相手に、手でそんな仕草をつくった。レッドソックスのマウンドには、ナックルボールを操るウェイクフィールド。松井の天敵ともいえる投手との今季初対決で、揺れるボールを中前打した。
こするような当たりだったが、苦手なボールを初球から打って出た。三塁側ベンチからは松坂が見つめている。メジャーの先輩として不甲斐ないプレーは見せられないのが、人情というものだ。
松井は二進した後、二塁内野安打で本塁を狙った。2死二、三塁の場面だったため、ゴロが飛んだ瞬間にスタートを切っていた。まったくスピードを緩めずに三塁を回った。松坂のすぐ目の前を一気に駆け抜け、滑り込まずに生還した。志願して立った第3打席でも2番手・ドネリーの低めに沈む球をうまくすくい、中前に運んだ。
毎日新聞 2007年3月13日 11時42分 (最終更新時間 3月13日 12時16分)