23日に開幕する第79回選抜高校野球大会(12日間、甲子園)初日に登場する優勝候補の一角、大阪桐蔭・中田翔投手(3年)は練習試合で高校通算72号を放った。
「あの投手が出てきた瞬間にスライダーの感じが似ていると思った」。相手投手を初戦で対戦する日本文理のエース栗山に見立てていた。3回1死一塁。外角スライダーを見逃した後の内角直球を、いとも簡単に左翼席へ運んだ。センバツでも予想される外の変化球から内角直球というパターンを完ぺきに攻略した。
これで今春の練習試合は6戦4発。だが、その裏では痛みと闘っていた。10日に自転車のチェーンが切れ転倒。手のひらを深く傷つけた。「普通にこけていたら骨折していましたよ。まだネクスト・バッターズ・サークルでは痛くて左手でしか振れません」。右手の母指球に痛みが残る中でのアーチ。開幕を前に中田に死角は見当たらない。
スポーツニッポン 2007年3月19日