3人が死亡した兵庫県宝塚市のカラオケ店「ビート」の火災で、業務上失火と業務上過失致死傷罪に問われたアルバイト店員、佐々木美津子被告(35)の第2回公判が28日、神戸地裁(五十嵐浩介裁判官)であった。起訴事実の認否で佐々木被告は「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪する一方、「過失で火を出したことは認めるが、作動する消火器があれば(客が)亡くなったり、やけどをすることはなかったと思う」と述べ、業過致死傷罪については無罪を主張した。
佐々木被告は消火器で消そうとしたが使い方が分からず、客に渡したもののガスが抜けていて作動しなかった。弁護側は「消火活動をしており、失火と致死傷は因果関係がない」と主張したが、亡くなった大本泰史さん(当時16歳)の父は「消火器が使えないなら、避難誘導を優先してくれれば死ぬことはなかった」と憤っていた。【酒井雅浩】
毎日新聞 2007年5月28日 21時10分