米In-Stat/MDRが,家庭用メディア・サーバー市場に関する調査結果を米国時間9月15日に発表した。現在メディア・サーバーはそれほど普及していないが,全世界の出荷台数は2004年に2倍近くに増え,600万台を超える見込みだ。「市場の拡大は,映画製作会社やレコード会社などのコンテンツ開発企業にとって,既存ビジネス・モデルに対する脅威と,新しい収入源の発生という2つの面がある」(同社)
メディア・サーバーは一部の家庭が導入し始めたばかりだが,コンテンツの違法コピーにつながる恐れがあるなどとして,コンテンツ開発コミュニティは以前から警戒しているという。
しかし,In-Stat/MDR社上級アナリストのMike Paxton氏は「メディア・サーバーに対する需要増加は,コンテンツ開発企業に新たなビジネス・チャンスももたらす」と指摘する。「例えば,ペイ・パー・ビューやペイ・パー・リッスンといった新サービスの構築や,共同ブランドによるメディア・サーバー製品の開発という機会がある。さらに,消費者が実際にどのようなコンテンツを楽しんでいるのかを,より正確に追跡することも可能となる」(同氏)
そのほかの主な調査結果は以下の通り。
・2008年までは,出荷されるメディア・サーバー製品の大部分を,ハイエンドのケーブル/衛星放送セットトップ・ボックスと,ネットワーク対応DVDプレーヤが占める
・パソコン・ベースのメディア・サーバー製品の出荷台数が,2006~2008年に急増する
・米Walt Disneyが韓国Samsung Electronics製メディア・サーバー向けオンデマンド映画レンタル・サービス「MovieBeam」を開始するなど,一部のコンテンツ開発企業はメディア・サーバー市場への取り組みを開始している |