米DisplaySearch社は,液晶テレビとPDPテレビ,画素型リアプロといった薄型テレビの2004年第3四半期における地域別やメーカー別シェアの調査結果を発表した。液晶テレビの出荷数量において,これまで地域別シェアでトップだった日本市場を欧州市場が追い抜くなど,日本以外の地域における市場規模が着実に拡大していることが鮮明に表す結果になった。
ディスプレイの種類ごとに出荷状況を見てみると,最も出荷数量が多い液晶テレビは世界出荷数量が対前年同期比106%増の220万台だった。液晶テレビの地域別シェアは,対前期比71%増の欧州市場が35%でトップに立ち,同15%増の日本市場が29%の2位,同46%増の北米市場が26%の3位と続く。日本市場は出荷数量が増え続けているものの,欧州市場に比べて伸び率が小さいために,欧州市場に追い抜かれた形である。なお,中国市場は世界出荷数量の3%を占める。 出荷数量で見た液晶テレビのメーカー別シェアは,対前期比で1ポイント上げたシャープが28%で首位を維持した。2位には同11%で前回の3位から浮上したオランダRoyal Philips Electronics社,3位には前回の2位から1つ順位を落としたソニーが同10%で続き,4位には松下電器産業を同シェアで追い抜いた韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が入った。
PDPテレビでは,世界出荷数量は71万4000台だった。全体の54%を42インチ型のWVGA品が占めている。地域別シェアは,最大市場が北米の36%,2位が欧州市場の33%。日本市場の地域別シェアは12%で,中国市場は同6%である。メーカー別シェアを見ると,20%の松下電器産業が前回トップのソニーを追い抜いて首位に立った。ソニーは同13%で2位。3位は同12%の韓国LG Electronics Inc.。これらのメーカーに,日立製作所とSamsung社がそれぞれ8%,Philips社とパイオニアがそれぞれ7%で続く結果になった。なお,Samsung社は中国市場においてメーカー別シェアで首位になっている。
画素型リアプロはSamsung社とソニーが一騎打ち 画素型リアプロの場合,表示素子にDMDを使う品種の世界出荷数量は18万台だった。北米市場が地域別シェア82%の圧倒的多数を占め,中国市場と欧州市場がそれぞれ同3%で続く。メーカー別シェアはSamsung社が全体の69%を占め,同9%で2位のLG社を大きく引き離している。Samsung社は,各地域でシェア・トップだった。
表示素子に液晶パネルを使う品種の場合,世界出荷数量は24万2000台。こちらでも北米市場が全体の81%と大多数を占めた。メーカー別シェアを見るとソニーが65%を占める。2位は同14%の松下電器産業。
DisplaySearch社は,2004年第4四半期における調査結果について,2005年3月に同社が米国で開催するセミナーで公表する予定である。 |