ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の米国法人Sony Computer Entertainment America Inc.(SCEA)は,2005年1月6日に開幕する「2005 International CES(CES 2005)」の開催に合わせ,CES会場近くのホテルで「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の米国におけるデビュー・イベントを開催した。日本では2004年12月12日に発売したPSPだが,米国では未発売で2005年3月までに発売されることになっている。今回のデビュー・イベントでは,多くの来場者が期待していた価格や出荷時期については言及しなかった。ただし,SCEは当初の目標は変えていないとしている。
日本における出荷状況については,発売以来2004年末までの約20日間で51万台を出荷したことを報告した。このほか,発売初日,量販店の店頭などに長蛇の列ができた様子を撮影したビデオ映像を流すなど,日本での盛り上がりぶりを紹介した。当初の出荷台数に関してSCEは,2004年10月末の価格発表時に「2004年中には50万台を出荷する」としており,出荷実績はほぼ目標どおりとなった。
ただし,オンライン販売分が瞬時に売り切れ,店頭でも商品が並ばないなど,潜在需要はまだかなりあるとみられる。需要が多いにも関わらず出荷が追いつかない理由として,SCEは「専用のマイクロコントローラを含めて,いくつかの部品の供給が追いつかない」と説明している。
発表会場では,ゲーム以外にもPSPで楽しむことができる音楽と静止画および動画の再生,映画をそれぞれ紹介した。
音楽については,ソニーが米国で提供する音楽配信サービス「Connect」でパソコンにダウンロードした楽曲を,メモリースティックDuoに移してPSPで再生するデモを行って見せた。静止画と動画については,デジタル・カメラとビデオ・カメラ兼用機で撮影した画像を再生した。映画については,ソニーの子会社であるSony Pictures Entertainment Co.などの協力を得てデモ用UMDを作成、映画の一部を見せた。
同イベントに参加していたSony Pictures Home Entertainment社で新技術担当のSenior Vice PresidentであるDon Eklund氏は「UMDのセキュリティと記録容量については問題があると思っていない。間もなくUMDにも対応するだろう」と同ディスクの採用に積極的な姿勢を示した。 |