オムロン ヘルスケアは12月8日、医療用心電計の大手のフクダ電子と共同開発した携帯型心電計「オムロン携帯型心電計・HCG-801」を発売すると発表した。
1月11日より、関東1都6県のドラッグストア、調剤薬局で発売。2005年夏より全国発売する。価格は3万6750円。初年度5000台の販売を目指す。
心電計は、心臓の中に電気的興奮が伝わる様子を、体表面につけた電極から読み取り、その変化を波形に描いた「心電図」で表示して異常を調べる装置。
オムロン ヘルスケアによれば、現在日本には胸に痛みや動悸を覚えたり、健康診断で異常を指摘された人が約3300万人いるという。「しかし、こうした症状は一過性であることが多く、病院に行った時にはおさまっており、心電図検査を行っても異常が出ない」(同社)。
同携帯型心電計は、自覚症状がある際に自分で心電図をとれるというメリットがある。電源を入れてから、本体右側の指電極に右手人さし指をあて、左側の胸電極を直接素肌にあてて測定ボタンを押すと、約30秒で結果が表示される。
測定結果の記録保存は5回分可能。市販のSDカードを組み合わせれば300回分を記録できる。心電図を医師に見せることで、心疾患の早期発見、治療に役立つという。
フクダ電子の技術供与を受け、同社の心電図波形解析アルゴリズムとノイズ除去フィルタ技術を組み込んだ。心電図を自動的に解析し「波形に乱れはないようです」「心拍が速めです」など13種類のメッセージを表示する。心電図の読めない一般ユーザーでも計測結果を参考にできるという。
ノイズ除去技術として、「筋電フィルタ」と「ドリフトフィルタ」を搭載する。前者は手足の筋肉が動く際に発生する微弱な電気ノイズ(筋電)を、後者は汗や呼吸などによって生じる波形の揺らぎを除去する。
これにより、医師が不整脈を診る際の参考となるRR間隔(心拍の間隔)の乱れや、虚血性心疾患を診る際の参考となるST-T部分(心室の興奮を表す波形)の異常を確認できる。
また測定中に、電極の位置がずれたり、筋電が発生しにくいよう、デザインに工夫を施した。本体左側にある胸電極にシリコン素材のすべり止めを付け、本体右側の指電極には、指の形に合うカーブとくぼみを付け握りやすい形状にした。寸法は幅121mm、高さ67mm、奥行き24mm。重さは130g。電源は単4形アルカリ乾電池2本。 |