約9000年前の中国で酒が飲まれていたとみられる証拠を、米ペンシルベニア大博物館などの研究チームが発見した。コメと果実、蜂蜜からつくられていたらしい。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表される。
同博物館のマクガバン博士らが、中国・河南省の新石器時代の遺跡で発掘された陶器の入れ物16個の残留物を、ガスクロマトグラフィーなど5種類の方法で分析。アルコールは検出できないが、総合的に見て、コメや蜂蜜、ブドウまたはサンザシの実からつくられたと判断した。当時の酒の正確な姿は分からないが、果実の皮や蜂蜜の酵母で発酵させてつくっていたとみられる。
マクガバン博士らのチームは94年、イランで発掘された7400年前の陶器の入れ物でワインの残留物を確認している。発見された中では、これが「世界最古の酒」だと考えられてきた。
今回の酒は、このワインより1600年ほどさかのぼる。中東以外でも確認されたことで、古代の世界における酒造技術と飲酒文化の広がりを知る発見といえそうだ。 (12/07 14:35)