◇鈴木杏ちゃんに“香港NO.1のスケベ”もメロメロ
コミック総売上部数3900万部を誇るしげの秀一氏原作の人気コミック「頭文字<イニシャル>D」を、「インファナル・アフェア」シリーズのスタッフが映画化した『頭文字<イニシャル>D』が、9月17日より日本でも公開される。そのプロモーションために監督、主要キャスト6人が来日、東京都内のホテルで30日、会見が開かれた。
映画『頭文字D』は、家業である豆腐屋の配達をするうちに知らぬ間にドライビング・テクニックを身に付けた高校生・藤原拓海が、スピードにとりつかれた峠の“走り屋”たちと激しいカー・バトルを繰り広げる迫力の痛快エンタテインメント。
1995年に原作を読んで以来、その虜になったという監督のアラン・マックは、「10年間、誰も映画化していない分、これは大きな挑戦だと思っていた。幸運なことにそれを今回完成することができた」と胸を張る。
その作品に出られたことを、「原作のファンだったのでうれしい」と素直に喜ぶのは、主人公・藤原拓海役のジェイ・チョウ(26)だ。ジェイの本業は歌手。故郷・台湾はもとより、香港、中国などで圧倒的な人気を誇り、この年齢にして台湾芸能界長者番付NO.1に輝くカリスマ・アーティストだ。彼にとって本作は映画デビュー作となる。
コミックのファンだったというのは、拓海のライバル中里毅役のショーン・ユー(23)も同じ。「中学のときに原作を読み、多くの影響を受けた。まさかその作品に自分が出演できるとは思っていなかった」と、こちらもうれしそう。
原作では、拓海と、彼のライバルたちが群馬県の棒名山(映画の中では秋名山)の峠道でレースを繰り広げるのがみどころのひとつだが、それは映画も同じ。監督のアンドリュー・ラウ(45)は、「技術が発達しCGを使うこともできたが、レースシーンではリアリティを追求するために本物と同じくらいのスピードを出してもらった」と振り返る。
そんな撮影の中でジェイが苦労したのは、「車の前についている高価な機械を壊さないようにすること」。なんでも監督から「絶対壊すな」とのお達しがあったらしい。
一方、ショーンの苦労は、「30数度の暑さの中で、革ジャンを着て涼しげな顔をしていなければならなかったこと」。そして、拓海のもうひとりのライバル高橋涼介役のエディソン・チャン(24)は、「僕の演じた役は自分と似ているので演技をするうえでの苦労はなかった」としながら、「撮影中、雨ばかりだったので行くところがなくて困った」と別の部分での苦労を語っていた。
そんな男性陣に交じり、撮影中最も苦労したのは、おそらく、拓海のガールフレンド茂木なつき役の鈴木杏ちゃん(18)だろう。なぜなら、「スカートが短くて、常に気を付けていなければならなかった」から。
すると、拓海の父親・藤原文太役のベテラン俳優アンソニー・ウォン(43)が、「かわいい女の子がミニスカートでウロウロしてくれた。スカートの丈がもう少し短かったらもっと良かったのに」とコメント。これを受けて、拓海の友人・立花樹役のチャップマン・トゥ(33)が、「香港のNO.1スケベ」と日本語で語り会場からは大爆笑が起こっていた。
会見のあとには、8月31日に日本でデビューアルバムを発売するジェイがピアノの演奏と共に歌声を披露し、会場に集まった女性ファンたちを喜ばせていた。(一部敬称略)【文/りんたいこ】
【作品データ】
『頭文字<イニシャル>D』INITIAL D
9月17日より、新宿シネマミラノ他全国にて公開
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック 「インファナル・アフェア」シリーズ
出演:ジェイ・チョウ、鈴木杏、エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン
2005年/香港/上映時間109分/ギャガ・コミュニケーションズ配給
公式サイト
http://www.initial-d.jp/index2.html
2005年9月1日