◇東海大助教授ら調査 全国2位の長さ、最長の可能性も
鹿児島県沖永良部島(おきのえらぶじま)にある全国的には無名だった鍾乳洞「大山水鏡洞(おおやますいきょうどう)」(知名町)が、総延長9150メートルで全国2位の長さの洞くつであることが、沖永良部島洞窟(どうくつ)探検隊(隊長、牧野浩典・東海大助教授)の調査で分かった。今後調査が進めば、全国最長の岩手県岩泉町の安家(あっか)洞(1万2736メートル)を抜く可能性もあるという。23~25日に滋賀県多賀町で開かれる日本洞窟学会で報告される。【須田桃子】
洞くつ探険愛好家でつくる同探検隊は、昨年1月~今年1月に計3回延べ18日間、大山水鏡洞を調査した。04年1月の調査で、別々の洞くつと考えられていた長さ50~2688メートルの四つが、内部でつながっていることを確認。総延長は5206メートルまで伸びた。同年8月に、別の二つの洞くつ(計約3100メートル)ともつながっていることが判明。今年1月には、計576メートルの新たな洞くつの通路を発見するなどして総延長は9150メートルとなり、2位の秋芳洞(山口県秋芳町、8790メートル)を抜いた。
洞くつ内では、直径10メートル以上ある国内最大級の石柱のほか、天井から2メートルほど垂れ下がったカーテン状のものや、内部の池で生成された直径数センチのケイブパール(洞くつ真珠)など貴重な鍾乳石が多数見つかった。入り口から約250メートル付近のホール(広い場所)では、鍾乳石で覆われた人骨一体も見付かった。
牧野さんは「未調査の通路も多数あり、さらに総延長が伸びる可能性は大きい」と話す。
沖永良部島は奄美群島の一つで、周囲約50キロ、面積約94平方キロ。サンゴ礁が隆起して出来た石灰岩質の島で、地下には大小200近くの鍾乳洞があるが、未調査のものも多い。
毎日新聞 2005年9月17日 東京夕刊