日本、中国、韓国、台湾の主要な天文機関が21日、共同で研究を進める「東アジア中核天文台連合(EACOA)」を結成した。これまでの研究者レベルの交流を発展させ、将来的には新たな天文台の建設などで米国や欧州と並ぶ一大研究拠点の構築を目指すという。
国立天文台(東京都三鷹市)で行われた調印式には、海部宣男・同天文台長をはじめ、趙剛・中国国家天文台主席副台長、パク・ソクジェ韓国天文宇宙科学研究院所長、ポール・ホー台湾中央研究院天文及び天文物理研究所長の4人が出席し、今後の活動方針などを確認した。
望遠鏡の共同利用や観測装置の開発、中国に赤外線望遠鏡を共同建設する構想もある。欧州の11カ国が参加し成果を上げている欧州南天文台(チリに観測所)をモデルにした「東アジア天文台」建設も目標に掲げている。
海部台長は「政治的に難しい部分はあるものの、文化を共有する隣国との協力が長年の夢だった。欧米に肩を並べられるアジアの天文学を生み出す母体を作りたい」と意気込んでいる。【下桐実雅子】
毎日新聞 2005年9月22日 東京朝刊