紀宮さまが結婚前に行う一連の皇室儀式は、12日午前中の「賢所皇霊殿神殿(かしこどころこうれいでんしんでん)に謁(えっ)するの儀」と午後の「朝見(ちょうけん)の儀」で終わった。式は15日に帝国ホテルで行われる。
午後2時から始まった朝見の儀に、紀宮さまはロングドレスで臨んだ。宮殿「松の間」で待つ天皇、皇后両陛下の前で、「今日まで長い間、深いご慈愛の中でお育ていただきましたことを、心よりありがたく存じます」などとあいさつ。これに対し燕尾(えんび)服姿の天皇陛下は「務めを立派に果たし、家族をやさしく支えてきたことを深く感謝しています。2人で力を合わせて楽しい家庭を築くよう願っています」などと述べた。
また、ロングドレス姿の皇后さまは「どうか新しい生活においても家庭を大切にしつつ、社会のよき一員となっていかれますように」といつもより小さな声でゆっくりと応えた。あいさつの後、紀宮さまと両陛下は別れのさかずきをかわし、儀式の作法通りにご膳(ぜん)に箸(はし)を立て、約15分で儀式を終えた。
午前中の「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」では、紀宮さまはおすべらかしの髪形に十二単(じゅうにひとえ)姿で臨み、先祖などに皇族としての別れを告げた。【遠山和彦】