サムニングループによる住宅リフォーム詐欺事件で、グループ親会社「エム・エイチ・エス」(東京都中央区)の幹部が違法営業をするよう指示していた疑いが強まり、警視庁生活経済課は近く、同社元役員数人を詐欺容疑で取り調べる方針を固めた。全国で同様の詐欺事件が相次ぐ中、グループぐるみの組織的事件として、上層部が刑事責任を追及されるのは初めて。同課は全国約5400人から約140億円を稼いだ詐欺商法の全容解明を進める。
調べでは、元役員らは02年ごろ、子会社の営業マンと共謀し、横浜市の中年男性に「屋根裏の柱がひずんでいる。地震が来たら家が崩れてしまう」などとうそを言って、必要のない補強工事の契約を取り付け、数百万円をだまし取った疑い。
元役員らは既に詐欺容疑で逮捕、起訴されている営業マンらに「ロールプレイング」(役割実演法)という方法で営業を訓練。客役を演じるなどして、契約を取るための勧誘の言い回しを覚えさせていたという。元役員は勧誘自体はしていないが、生活経済課は、訓練などが詐欺行為の事前共謀にあたると判断した。
サムニングループの事件では今年6月以降、子会社で東日本担当の「サムニンイースト」、西日本担当の「サムニンウエスト」の営業マンら9人が詐欺容疑で逮捕・起訴されている。【合田月美】