東京女子医科大学病院(東京都新宿区)の医師の健康保険証を使って、勝手に銀行口座を作ったとして、さいたま市見沼区春野、田谷正一容疑者(42)が詐欺と有印私文書偽造・同行使容疑で警視庁牛込署に逮捕され、起訴されていたことが分かった。同病院の事務員だった妻が持ち出した健康保険証のコピーが悪用されていることから、同署は今月1日、妻も同容疑で東京地検に書類送検した。
調べなどによると、田谷被告は昨年7月、埼玉県内の地方銀行の支店で、同病院の男性医師の偽造健康保険証を使って口座を開設し、通帳をだまし取った疑い。田谷被告はこの口座を使って、消費者金融会社から融資を引き出していた。「住宅ローンなどの借金があり、お金が欲しかった」などと供述している。
今年7月に男性医師の元へ消費者金融会社から支払いの督促状が届いたため、発覚した。田谷被告の妻は同病院の事務員で医師の健康保険証を管理する立場にあり、同署は男性医師の他の医師も同様の被害を受けているとみて調べている。同病院は同月、妻を守秘義務違反で懲戒解雇した。【三木陽介、石丸整】
毎日新聞 2006年9月7日