22日未明に北海道利尻島沖で消息を絶ち、行方不明となっている後志管内岩内町の岩内郡漁協所属のイカ釣り漁船「第58利光丸」=19トン、大須賀利光船長(58)ら3人乗り組み=とみられる転覆漁船は同日午後3時現在、稚内港北防波堤の北5.5キロ付近の海上を南東方向に漂流している。現場付近の海域は、発達した低気圧の影響で15メートルの強風と高さ4~5メートルの波で、荒れ模様になっており、稚内海上保安部の救助作業は難航している。
行方不明となっているのは、大須賀船長=岩内町万代=のほか、甲板員、佐藤好夫さん(53)=同町御崎▽同、小林健一さん(58)=泊村糸泊山ノ上=の3人。
利光丸は21日正午ごろ、稚内港を出稿。利尻島西沖合の漁場へ向かった。
同海保は転覆船を巡視船3隻で監視。船内に乗組員が閉じこめらている可能性もあるとみて、しけの状況をみながら、潜水士らによる救助作業を始めるタイミングをはかっている。
岩内郡漁協の菱沼龍一郎専務理事によると、大須賀船長はイカ釣り漁に40年ほどの経験があり、今回は僚船と3隻で稚内港を拠点に操業していた。「慎重な性格で、操業を早めに切り上げ、稚内港に向かう途中だった。強風を避け切れなかったのだろうか」と話している。
【山本喜久雄、西端栄一郎】