北海道函館市富岡町1のアパートで7月、女性2人が刃物で刺され死傷した事件で、殺人と殺人未遂罪に問われている同アパートの無職、木元征雄被告(60)に対する公判が函館地裁(園原敏彦裁判長)であり、検察側は懲役20年を求刑し結審した。判決は12月22日。
検察は論告で「(生活保護を受けているのに)テレビを購入したことをケースワーカーに告げられることを防ぐためという極めて短絡的かつ自己中心的な動機で酌むべき点は全くない。犯行は、非常に悪質かつ卑劣」などと指摘した。
起訴状などによると、木元被告は7月30日午後4時25分ごろ、同アパート1階3号室の無職女性(当時72歳)の部屋で、自室から持ち出した包丁で女性を数回刺して殺害。さらに同じ部屋にいた隣室の無職女性(当時58歳)も刺し、全治2週間のけがを負わせた。
【佐野優】