ロッテを31年ぶりの日本一に導いたボビー・バレンタイン監督(55)は31日、大リーグのデビルレイズ、ドジャース、ナショナルズの監督候補に挙がっていることを明らかにした。ロッテとは来季まで3年契約を結んでおり、球団側は続投は既定路線との考えを強調。バレンタイン監督も続投へ意欲を示しているが、球団の許可があればメジャー球団と面談を行う可能性を示唆するなど揺れる心境を明かした。
10日開幕のアジアシリーズ(東京ドーム)へ向けてこの日からチームは練習を再開。練習後、バレンタイン監督は来季の去就についてファンへメッセージを送った。
「このチームを愛している。好きなことをさせてもらっているし、仕事も気に入っている。とんでもない状況が起こらない限り、ファンの皆さんは心配する必要はない」
ロッテ側は来季までの3年契約を結んでおり、続投は既定路線と強調しているが、メジャー側の評価が日に日に高まっているのは事実。指揮官はファンサービスについて球団首脳と会議を繰り返し、来春は希望していた豪州キャンプも決定するなど続投に意欲を示しているが、同時に「タンパベイ、ロサンゼルスに加え、ワシントンもいずれはロッテに正式なオファーを求めてくるだろう」と初めてメジャーの具体的な球団名を挙げた。
来季まで契約を残していたピネラ監督を解任したデビルレイズ、デポデスタGMの解任に伴い、バレンタイン監督と親密関係にあるオーナー付顧問のラソーダ氏の復権が濃厚なドジャース、そしてナショナルズの3球団が獲得に興味を示していることを明かしたのだ。
「いろんな球団から求められることは、とても喜ばしい。もちろんロッテから残ってほしいと言われることは何よりもいい気持ちだ」と話す一方、仮にロッテがメジャー側との交渉を容認すれば「他の球団がオファーをしてくれるのに、耳を傾けないことはない」と面接に応じる構えも見せた。「何よりも家族のために最善の契約をしたい」と話すバレンタイン監督の心は日米の間で大きく揺れている。
≪ロッテ「続投は既定路線」≫ロッテの瀬戸山球団代表はドジャース、デビルレイズ、ナショナルズがバレンタイン監督に関心を示していることに「メジャーから現時点で話が来ていることはないし、仮定の話もできない」と戸惑いの表情を浮かべた。バレンタイン監督とは来季までの3年契約を結んでおり「少なくとも来年の契約は残っている。その後もプロテクトといっていいのか分からないが(オプションの)契約も残っている」と続投は既定路線であると主張。「もう来年のことを含めた話も監督と進めている。不安は一切ない」と話した。
≪セラフィニ、福浦もアジアシリーズ欠場≫左足首捻挫の堀、右太腿裏痛の小坂に加え、セラフィニ、福浦もアジアシリーズを欠場する見通しになった。セラフィニは交流戦中に疲労骨折した左足首の回復が思わしくないためで、渡米して内視鏡検査を受けることも検討されている。福浦は鼠径(そけい)ヘルニアのため、1日に千葉市内の病院で手術。バレンタイン監督は「今後は休養に充てて来季に備えてほしい」と説明した。