ソフトバンクの城島健司捕手(29)がマリナーズと契約し、日本人捕手として第1号の大リーガーになった。投手や野手とは異なり「唯一のポジション」への挑戦。2年連続でプレーオフで敗れたチーム事情や、家族との暮らしなどで悩み抜いての結論だった。22日の記者会見でも「11年間、福岡でいただいた声援が力になった」と、ファンへの言葉を口にした時、涙をにじませた。
フリーエージェント(FA)宣言した10月31日、城島は「これでメジャーとの交渉テーブルにつける。ホークス残留を含めて選択肢が広がっただけ」と、残留をにおわせていた。しかし、ともに渡米した家族が生活環境などに納得したことから、決断を下した。マリナーズの本拠地、シアトルを回った後、ニューヨークも訪れる予定だったが、「日本人捕手をナンバーワンに考えてくれた(マリナーズの)気持ちをほごにしてしまう」と拒否。帰国後すぐに王監督と球団に移籍の意向を報告した。
FA宣言の時に掲げていた「正捕手」の条件については「正捕手は競争しなければならない。マイナーではなく、メジャー契約ということだった」と説明。初の日本人捕手については「日本でやってきたスタイルが評価されたと思う。すべて同じようにできるとは思わないが、こっちのスタイルを貫かなければならない時もある」としんの強さを見せた。英語についても「大事なところは通訳が必要だが、こっちが誠意を見せていけば通じるようにもなる」と自信を見せた。
マリナーズの入団会見は未定。城島は日本でトレーニングをするという。【百留康隆】