日銀の福井俊彦総裁は13日の参院財政金融委員会で、証券取引法違反容疑で逮捕された村上世彰容疑者が設立した「村上ファンド」に99年秋、個人として1000万円を拠出していたことを明らかにした。福井総裁は「日本のコーポレートガバナンス(企業統治)を変えていこうという志を支えるため、有志数人で1000万円ずつ拠出した」と説明した。
福井総裁によると、98年に富士通総研の理事長に就任した当時、通産省に勤務していた村上容疑者と知り合った。村上容疑者が99年にファンドを設立後、資金集めに窮していることを知り、1000万円の拠出に応じたという。福井総裁は「運用による帳簿上の利益はきちんと申告して納税している」と述べたが、利益額は明らかにしなかった。
また、村上容疑者の逮捕について「ファンド設立当初は評価していた。出発点と到着点との落差があり、遺憾に思う」と語った。【野原大輔】
毎日新聞 2006年6月13日 11時57分