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女子大生誘拐:母娘と接点は、単なる資産狙い?

作者:宮川裕章…  来源:mainichi-msn   更新:2006-6-27 11:02:01  点击:  切换到繁體中文

 

テレビや雑誌でもてはやされた「カリスマ美容外科医」の娘が狙われた。東京・渋谷の明治学院大4年、池田果菜子さん(21)が26日正午すぎ、自宅近くで襲われた身代金目的誘拐事件は、警察が27日未明、監禁現場に突入し、13時間ぶりに解決した。容疑者は、日本、韓国、中国籍を持つ3人組。池田さん母娘と接点はあるのか、単なる資産狙いなのか。警視庁は詳しい動機を解明する。

 ◇スピード解決した要因は目撃者

 今回の事件がスピード解決した要因は、誘拐現場で通行人の女性会社員(29)が容疑者の車のナンバーをメモしていたことと、果菜子さんの携帯電話の位置情報から、容疑者の動きが追跡可能だったことだった。警視庁捜査1課は、事件発生から約4時間半後には、車を発見し追跡するという、誘拐事件としては異例の展開となった。

 警察にとってよかったのは、容疑者から母親の優子さん(47)への14回の通話が、すべて果菜子さんの携帯電話だったことだ。誘拐事件では、公衆電話やプリペイド式携帯電話などが使われることが多い。今回は発信元が被害者の携帯だったため、容疑者による使用が推定され、グループの所在確認に役立った。

 捜査1課は、容疑者から6回目の電話が入る前の午後4時5分にはグループが川崎市幸区にいるのを特定。午後5時には同市中原区中丸子で目撃情報とナンバーが一致するワゴン車の追尾に入っていた。さらにナンバー情報から、ワゴン車をレンタルした人物が崔基浩容疑者(54)であることまで突き止めていた。JR川崎駅前で職務質問された崔、李の両容疑者は誘拐をあっさり認めた。

 ただ、わずかに手間取ったのは、容疑者の身柄確保の直前。ワゴン車が一時停車した地点を手がかりに、別のマンションを監禁場所とみて踏み込んだ。しかし見込みははずれ、実際は隣のマンションだった。

 捜査員9人が容疑者のいるマンションに突入したのは、27日午前1時25分。すでに身柄を確保した李勇容疑者(29)を「おとり」にしてインタホンの前に立たせ、室内にいた伊藤金男容疑者(49)に鍵を開けさせた。伊藤容疑者の発射した弾丸が男性警部補(36)の頭をかすめたが、伊藤容疑者は、間もなく組み倒された。いすに座らせられていた果菜子さんは、自分の名前を告げ「怖かった」と漏らしたという。【宮川裕章、鈴木泰広】

 ◇未明の突入、住宅街騒然 

 果菜子さんが監禁されていた川崎市中原区のマンション305号室には27日午前1時過ぎ、警視庁の捜査員らが突入した。直後、中の男が改造拳銃を発射。負傷した捜査員を運ぶ救急車のサイレンが鳴り、静かな住宅街はものものしい雰囲気に包まれた。

 捜査員に取り囲まれ部屋から出てきた男は半そでシャツ姿で片足を引きずりながら捜査車両に乗り込んだ。

 約50メートル離れた事業所にいた男性は「銃声がここまではっきり聞こえた」。向かいのマンションに住む男性(63)は「怒鳴り声と物がぶつかり合うような音がした」と声を震わせた。

 現場は東急東横線新丸子駅から東約500メートルの多摩川沿いの住宅街。マンションやアパートが建ち並び単身者が多く住むという。

 ◇いずれも職業不詳で、年代もばらばらの3容疑者

 韓国人と中国人と岩手県出身の日本人。いずれも職業不詳で、年代もばらばらの3人がどのように共謀し、誘拐に及んだのか。池田果菜子さんも母優子さんも3人に面識はないと話しており、捜査1課は果菜子さんを狙った動機などを追及する。

 崔基浩容疑者(54)の自宅は、横浜市鶴見区のJR鶴見線鶴見小野駅近くの町工場と古い住宅が混在する一角にある。

 親類の女性(65)によると、崔容疑者には妻と息子2人、娘1人がいるが、7、8年前から自宅を出て連絡もつかない状態が続いているという。職を転々とし、一時は横浜市内で屋根修理業をしていたが「金が入ると雇っていた職人に渡してしまい、次の材料費にも困るほど計画性がなかった。妻が新聞配達しながら3人を育てた」と話す。

 近くに住む無職の女性(75)は「たまに会ってもあいさつする程度だったが、物腰が柔らかい感じで、とてもそんな事件を起こすようには見えなかった」と話している。

 伊藤金男容疑者(49)は岩手県紫波(しわ)町在住。地元の中学校を卒業後、神奈川県平塚市内の夜間高校に通いながら工場で働いていたが、2年生の時に中退。トラック運転手として神奈川、岩手県の運送会社を転々とした。

 90年4月には福島県内の東北自動車道で、大型トラックを運転中に、4人が死亡する玉突き事故を起こした。その後、体調を崩して仕事を辞め、生活保護を受け、91年まで同県矢巾(やはば)町の町営住宅に住んでいたという。

 母親(82)は「連絡は取っていなかった。ニュースを見て初めて知った」とショックを隠しきれない様子で話した。以前務めていた同県紫波町の運送会社社長(62)は「仕事はまじめにやっていた。まさかこんな事件を起こすなんて」と驚いた様子だった。【山衛守剛、安田光高】

毎日新聞 2006年6月27日 11時52分 (最終更新時間 6月27日 11時55分)


 

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