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過去の誘拐事件:身代金奪ったまま未検挙はゼロ

警察庁によると、戦後起きた身代金目的誘拐事件は今回の女子大生事件を含めて計288件起きた。そのうち未検挙は警察庁指定114号「グリコ・森永」事件の発端となった84年3月の江崎グリコ社長誘拐など8件だけで、検挙率は97.2%と極めて高率だ。事件での犯人側の狙いは高額な身代金だが、身代金を奪われたままで未検挙になった事件は過去に1件もなく、犯人にとっては成功する可能性の低い事件といえる。一方で、被害者が殺害された事件は34件起きており、今回も含め59件で捜査当局と報道機関で報道協定が締結された。

 今回の事件のように女子大生、短大生が被害者になった事件はケースは少なく、今回を含めても5件だけだ。80年12月に愛知県で当時22歳の女子大生が誘拐された事件では、3000万円を要求した男は逮捕されたものの、被害者は殺害される最悪の事態になった。

 このほか、97年8月には熊本市で当時19歳の女子大生が誘拐された。犯人側は500万円を要求したが、27歳の男ら3人が逮捕され、被害者は無事に保護された。

 92年11月には奈良県天理市で韓国籍の当時19歳の女子短大生が誘拐され、2億円が要求された。容疑者2人が逮捕され、被害者は無事だった。

 78年10月には佐賀市で当時20歳の女子短大生が誘拐された。身代金200万円が要求されたが、容疑者は逮捕され、被害者は無事だった。【遠山和彦】

毎日新聞 2006年6月27日 11時58分

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