電機産業の労働組合でつくる産別「電機連合」の定期大会が6日、広島市で始まった。来春闘から賃金要求方式の組み立てや設計開発など職種別賃金要求方式に変える活動方針を提案する。成果主義の広がりなどで年齢などを軸とした要求が難しくなる中、新機軸を打ち出した。
同連合は02年春闘から、従来の「標準労働者」を基準とする方式から技能職と技術職「職群別」基準に変更し、職種別方式を検討してきた。現場技能職の組立職や同監督職、設計開発、システムエンジニアなどの職種を要求の基軸に据える予定で、同一額を要求するスタイルは変わらないが、要求のポイントをどこに置くかなど具体的な方式や戦術は、9月の代表者会議で機関決定する。
大会であいさつした同連合の中村正武代表・副委員長は「同一職種で企業の枠を超え、将来は社会横断的な賃金形成を目指したい。そして、このことを大手と中堅・中小、正社員と非正社員との格差是正につなげたい」と訴えた。
同連合は今春闘で、基幹労働者(35歳技能職か30歳技術職で選択)の賃金改善要求額を2000円としたが、妥結額は主要組合で1000円(2組合)と500円(14組合)とに分かれた。業種や企業で業績が大きくばらつき、成果主義型人事導入で各社各様の賃金制度の中で、統一闘争の再構築に取り組んでいる。【東海林智】
毎日新聞 2006年7月6日 11時21分 (最終更新時間 7月6日 12時14分)