東京慈恵会医科大学(東京都港区)の解剖学教室の元男性助手(47)が、カイロプラクティック(整体)学校の学生を相手に無資格で人間の死体の解剖実習をした疑いのあることが警視庁生活環境課の調べで分かった。同課は既に6月、死体解剖保存法違反容疑で同大を家宅捜索し、詳しい経緯を調べている。
同課によると、元助手は在職中だった03~04年、複数回にわたり、同大の解剖室で、整体学校の学生を集めて死体の解剖実習をした疑いが持たれている。学生にもメスなどを使わせていた。整体学校には「自分は慈恵医大の助教授で医師だ」と称していたが、医師免許もなく、同課の聴取に偽医師だったことを認めているという。
死体解剖保存法は、解剖学や法医学の教授などを除いては、厚生労働相が認定した者か保健所長の許可を受けた者しか死体を解剖してはならないと規定している。罰則は6月以下の懲役または3万円以下の罰金。
元助手は昨年2月、一身上の都合を理由に退職したという。
毎日新聞 2006年7月26日