「殺人事件を起こせば国選弁護人に法的トラブルを解決してもらえる」と、札幌地裁（札幌市）周辺で歩行者３人を車で無差別にひき殺そうとしたとして、殺人未遂罪に問われた札幌市厚別区大谷地東５の５、無職、高谷英雄被告（６９）の判決公判が２６日、同地裁であった。吉村正裁判長は「理不尽で悪質な行為に酌量の余地は全くない」と懲役１１年（求刑・懲役１２年）を言い渡した。

　判決によると、高谷被告は３月２２日夜、同市中央区大通西１１の交差点で、５９歳の男性を殺害しようと乗用車を衝突させ、ろっ骨骨折などの重傷を負わせた。続けて、同区北１西１２の交差点でも３３歳と２６歳の男性２人に車をぶつけ、重傷を負わせた。

　高谷被告の弁護側は起訴事実を認める一方、心神喪失による無罪などを主張したが、吉村裁判長は「計画的かつ執ような犯行で、責任能力は完全に認められる」と判断した。【真野森作】

毎日新聞　2006年7月27日