村本容疑者の部屋の玄関には外から施錠できるタイプの鍵が、窓には黒い目隠しとすだれが取り付けられていた=大阪府茨木市中総持寺町で3日午前8時22分、幾島健太郎写す
村本卓也容疑者(42)に約5カ月監禁され、栄養失調の状態で先月保護された大阪府内の女性(24)は府警に対し、「ご主人様に傷つけられました」と説明し、マインドコントロールされていた疑いもある。今も入院中で、回復には時間がかかるという。
調べなどでは、先月15日に病院に搬送された女性は、両肩や頭に鈍器で繰り返し殴られたような痕やアイロンを押し当てられたやけどのような傷があった。虚脱状態で、胸骨が浮き出るほどやせていたという。保護された時は口をぱくぱくし、歩くこともままならなかった。
回復とともに「暴行を受け、逃げられなかった。最初のころ、たまに買い物に出たが、怖くて逃げられなかった」「男(村本容疑者)が外出する時はトイレに閉じ込められた」「おかゆかパンしか食べさせてもらえなかった」と語っていた。革製ベルトで手足を縛られ栄養補助食品を飲まされたこともあったという。
部屋のドアには逃げ出せないよう外からも鍵が付いており、廊下に面した部屋の窓には、黒いビニールが張られ、中が見えないようにしてあった。
関係者によると、女性は会社員。村本容疑者と知り合ったのは、昨年5月に大阪市北区で開かれたお見合いパーティー。1カ月間、交際していったんは別れた。その後、今年1月に村本容疑者から「会社から近いから、家に来ないか」とメールが来て再会。2月6日に男のマンションに行った。家族には「茨木に行く」と言ったまま行方不明に。家族は同月13日、府警に捜索願を出していた。
先月、女性が「病院に連れていってほしい」と頼むと、村本容疑者は「けがは誰か別の人間に殴られたと口裏合わせしろ」と強要。搬送時に救急車に同乗し、病院に付き添った村本容疑者は、府警に対し「1週間ほど前に、街で知り合い、半同せい生活を送っている。けがは同せいする前に誰かに殴られたもの」と説明していた。
一方、04年3月に死亡した女性について、村本容疑者は当時の捜査に「(3カ月前から)食事を受けつけなくなって、やせ始め、倒れることもあった」と話していた。【石川隆宣】