大阪府茨木市の女性連続監禁事件で、村本卓也容疑者(42)=逮捕監禁、傷害容疑で逮捕=が女性を監禁していたマンションの部屋の引き出しから、現金200万円が見つかっていたことが、府警の調べで分かった。村本容疑者には2~3年前、亡くなった親族の遺産数百万円が分けられていたことも調べで判明。府警は村本容疑者が定職に就いていないことから、転がり込んだ遺産を「たんす預金」して食いつぶす、自堕落な生活を送っていたとみている。
調べなどでは、村本容疑者が暮らしていたのは父親が所有する同市の賃貸マンション。家賃なしで入居し、95年以降、複数の部屋に女性らを監禁していたことが判明している。
府警捜査本部の捜索で見つかった200万円は帯封が付いたまま。亡くなった親族の遺産の一部とみており、遺産を使って乗用車も買っていた。一方、村本容疑者は父親経営の土木会社を手伝っていたが、数年前に同社が廃業後、定職に就いていなかった。
捜査本部の調べでは、村本容疑者は友人との付き合いもまったくなかった。お見合いパーティーに参加したり出会い系サイトを利用するなど、女性と知り合うための行動以外には、社会との接点がない生活をしていた。
村本容疑者は監禁された女性が逃げ出そうとすると怒って暴行したり、「おまえが信用できなくなったので、外には出ない」などと言って、女性を見張るため自分もほとんど外出しないこともあった。捜査本部は、村本容疑者が他に交遊関係がないため、女性が逃げ出すのを極度に恐れていたとみている。
部屋からは大量のビデオテープが押収されており、半分は市販の映画などのビデオ。村本容疑者は監禁した女性と映画のビデオを見るなどして過ごしていたといい、捜査本部は外の社会とのつながりを絶った村本容疑者の生活の実態解明を目指す。
毎日新聞 2006年8月9日