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亀田興毅:微妙な判定 審判はどの部分を評価したか

亀田興毅(協栄)が王座を獲得した試合は判定が2-1と割れ、微妙な判定だった。審判が、どの部分を評価したかによって、結果が大きく異なるのがボクシングの採点の特徴だが、判定には疑問の声も多く、後味の悪さが残った。

 試合は一回終盤に、フアン・ランダエタ(ベネズエラ)の右フックを受けた亀田がダウン。中盤は亀田が右ボディーフックなどで相手をロープに詰め、追い上げを見せたが、十一回にはランダエタの左ストレートを受けてダウン寸前となり、クリンチで逃れるのがやっとだった。判定は2人の審判が2点差と1点差で亀田の勝ちとし、1人は3点差でランダエタの勝ちとした。

 WBAルールに準拠している日本ボクシングコミッション(JBC)のルールでは、得点はつぎの4項目を基準として、評価、採点される。

 (1)クリーン・エフェクティブ・ヒット(正しいナックル・パートによる的確にして有効なる加撃。有効であるかないかは、主として相手に対して与えたダメージに基づいて判定される)(2)アグレッシブ(攻撃的であること。ただし加撃を伴わない単なる乱暴な突進は攻撃とみなさない)(3)ディフェンス(巧みに相手の攻撃を無効ならしめるような防御。ただし、攻撃と結びつかない単なる防御のための防御は採点されない)(4)リング・ゼネラルシップ(試合態度が堂々として、かつスポーツマンライクであり、戦術、戦法的に優れ、巧みな試合運びによって相手を自己のペースに持っていくこと)。

 一般的には、ダメージに基づくクリーンヒット(有効打)の数が重視され、そこに差がない場合は次に手数や攻勢点が評価対象となる。ただし、ガードの上からのパンチでも、相手がぐらついたり、ダメージを受けている場合などは判断が難しくなる。また、審判によっては、選手のタイプで「好み」が出てくるケースもある。

 審判の人選はWBAなど統括団体、JBCなどコミッションの中で行われる。【来住哲司】

毎日新聞 2006年8月3日 

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