アスベスト(石綿)による健康被害で、三菱重工業(東京都港区)が死亡した元社員に支給する補償金の年齢制限を撤廃したことが31日、分かった。これまで、同社は81歳以上で死亡した場合、補償金を支給していなかった。石綿関連企業は独自の補償制度を持つが、年齢が上がるほど支給額が下がるなど、企業間格差が問題になっており、同社の取り組みは影響を与えそうだ。
同社はこれまで、石綿による労災や石綿新法の認定を受けた元社員について、死亡が退職してから80歳までの場合にのみ、2100万円を支給していた。
同社は「石綿の潜伏期間が10~40年と長いことを考慮して、社内規則を変更した。現在、遺族への補償金の支払いの手続きを進めている」と話している。同社では昨年8月時点で、21人が石綿関連の病気で死亡している。
【山口朋辰】
毎日新聞 2006年9月1日