【ロンドン山科武司】レバノンの復興を支援する国際会議は31日、約60の参加国・国際機関が短期支援として総額9億4000万ドル(約1100億円)を拠出することで合意した。当初、見込まれた支援額のほぼ倍で、既に拠出表明があった分を含めると支援総額は12億ドル(約1400億円)に達する。会議前、レバノン政府は短期復興資金として5億4000万ドルが必要としていた。
これらの資金は空爆被災者の仮設住宅建設資金や、湾岸の油濁除去、発電所の復旧などに充てられる。レバノン政府は被災者1世帯あたり最高4万ドルの住宅建設資金を支給する方針を明らかにしている。
戦闘の一方の当事者であるイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは停戦直後、ヒズボラ独自に1年分の家賃などを支給する方針を公表している。要望額を上回る支援金が集まったのは、西側諸国がヒズボラの影響力増加を懸念し、レバノン政府への肩入れを強めたためとみられる。
会議の最後に採択された議長総括では、停戦後もレバノン空域・海上の封鎖を続けるイスラエルに対し、国連安保理決議に従って封鎖を即時に解除するよう訴えた。
毎日新聞 2006年9月1日