研究室の機械に含まれていたアスベスト(石綿)で悪性中皮腫になったとして、01年7月に死亡した東京大農学部の元男性助手(当時56歳)の遺族が近く、人事院に公務災害を申請することが分かった。近畿大理工学部の元教授の遺族がアスベスト救済新法に基づく特別遺族年金の支給を受けた例はあるが、国立大でのアスベスト被害を巡る申請は初めてという。
遺族の弁護士によると、元助手は67年から32年間東大に勤務し、新潟大の助教授となって2年後の01年7月に亡くなった。東大では材料学を研究していたが、木材の乾燥機の扉に断熱材としてアスベストが使われていたという。この乾燥機は現在、使用禁止になっている。【稲生陽】
毎日新聞 2006年9月5日