04年10月の新潟県中越地震で被災した長岡市山古志支所(旧山古志村役場)の修復工事が完了し、1日開所して業務を本格的に再開した。今後、活発化する住民の「帰村」に50人体制で業務にあたり、復興に向けて弾みがつきそうだ。
旧村は地震直後、同市中心部に事務所を設置し、その後、市内の仮設住宅近くに移転。昨年4月の合併で山古志支所長岡事務所となった。今年5月、旧村役場隣に支所移転準備事務所を開設し、現地での窓口業務を一部再開していた。
開所式典で森民夫市長は「開所は山古志全体の復興の象徴」などとあいさつ。旧村長で今も仮設住宅で暮らす長島忠美衆院議員は「地震の時は再びこの地に帰ることが出来るのか不安だった。私たちの気持ちがつながっている間にみんなで山古志に帰り、生きていきたい」と述べた。
またこの日、同市は旧村地域と市街地を結ぶバスの運行を開始し、公営の歯科診療所も診察を再開した。山古志小・中学校の地元での授業は10月30日に再開する。
旧村では、今年8月29日現在で147世帯、351人が帰村。だが、5集落141世帯416人に避難指示が出され、解除の見通しは立っていない。【根本太一】
毎日新聞 2006年9月1日