駆けつけた消防隊員が倒壊家屋から救助する訓練をした=1日午前10時ごろ、静岡県浜松市で鈴木英世写す
静岡県は1日、東海地震を想定した訓練を独自に行った。予知を前提とした訓練だが、「災害にはシナリオがない」として参加する市民や消防、警察などが被害状況に応じ、どのような活動をするかを決めながら進めた。シナリオのない訓練は24回目の会場型訓練では初で、状況判断能力向上も狙った。
浜松市の主会場では、がけ崩れや家屋倒壊などの現場を設営。強い雨の中、自主防災組織や消防隊が倒壊した家屋などから生存者を救出する訓練を行った。しかし、崩れた建物の柱などの撤去を始めた自主防災組織が、指揮をする消防の指示で別の建物の救助活動に移るなど混乱もみられた。浜松市白洲町の自主防災組織の伊藤久仁朗さん(56)は「指示があいまいだ。実際の地震ではもっと混乱するかもしれない」と話した。【鈴木英世、望月和美】