太陽系の果てに、これまで発見されていなかった未知の惑星が存在する可能性があるとの研究結果を、神戸大の向井正教授(地球惑星科学)の研究チームが27日、発表した。シミュレーションで理論的に存在を予測、理論が正しければ、早くて5年後に新惑星が発見できるだろうという。米国の天文学専門誌「アストロノミカル・ジャーナル」4月号に発表する。
研究チームのパトリック・ソフィア・リカフィカ研究員によると、この天体は太陽から約255億キロ(太陽-地球間の平均距離の150倍)にある。質量は地球の0.3~0.7倍で、氷に覆われている。地球の公転軌道面より大きく傾いた楕円(だえん)形で公転しているため、これまでの観測体制では見つからなかった可能性があるという。
現在知られている最も外側にある惑星の海王星より遠くには、これまで約1100個の外縁天体が見つかっている。「カイパーベルト」と呼ばれる外縁天体は、ほとんどが太陽から45億~75億キロの範囲で円軌道で回っている。その外側は円ではなく、楕円軌道を取る天体ばかりで、なぜこうした軌道になるか分かっていなかった。
リカフィカ研究員は木星から外側の四つの惑星と未知の惑星が太陽系誕生から数億年後に外側に飛ばされたと仮定し、太陽系の歴史とほぼ同じ40億年にわたってシミュレーションした。その結果、観測で分かっている天体群の円軌道に加え、カイパーベルト全体の軌道とほぼ一致した。【関東晋慈】