京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は24日、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」で人気アニメ画像の入ったコンピューターウイルス「原田ウイルス」の一種を不特定多数に配布したとして、同ウイルスを作成した大阪府泉佐野市の20代の大学院生と、これを配信した2人の計3人の男を著作権法違反容疑で逮捕した。ウイルス作成者の逮捕は国内で初めて。情報漏えいを引き起こすなど、ウイルス被害がインターネット社会でまん延する中、反響を呼びそうだ。
作成者以外に逮捕されたのは、同府と兵庫県内の30代の男。3人は容疑を認めているという。
調べでは、大学院生は昨年10~11月ごろ、感染したパソコンの画面に人気アニメが現れるウイルスを作成。不特定多数にばらまいて、アニメの著作権を侵害した疑い。別の2人はウィニーを使ってこのアニメを配信した疑いが持たれている。
原田ウイルスは100種類以上の亜種があり、ウィニーなどのファイル交換ソフトによって感染すると「原田」を名乗る男の画像が表示され、パソコン内のデータが勝手に削除されることもある。関係者によると、元々の原田ウイルスは、アニメ映像の代わりに「原田」を名乗る男の顔写真が使われていた。また原田ウイルスを作成するツールもネットで流通しているという。
府警は04年、ウィニー開発者の元東京大助手、金子勇被告(37)を著作権法違反ほう助容疑で逮捕(京都地裁で罰金150万円の判決、大阪高裁へ控訴中)。関連捜査から今回の容疑が浮上した。【熊谷豪、細谷拓海】